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≪65歳以上の肺炎球菌ワクチン接種についてのコミュニケーション実態調査≫

8割の呼吸器内科医が「定期接種と任意接種どちらも重要」と回答
一方、「定期接種だけで十分」と回答の65歳以上シニアは5割強
肺炎球菌ワクチン接種の認識に大きなギャップ

 

 

①呼吸器内科医と65歳以上のシニアに見られる認識の大きなギャップ

■定期接種と任意接種の両方が重要と考えている呼吸器内科医は8割(80%)。一方、定期接種だけで十分と考える65歳以上のシニアは5割強(53.7%)

呼吸器内科医150人に肺炎球菌ワクチン接種についての考え方を質問したところ、「費用補助のある定期接種制度に限らず、任意接種制度も上手く利用して接種することが重要」と回答した医師が80%(120人/150人)を占めました。また、「費用補助のある定期接種制度を利用して接種していれば十分である」と回答したのは18.0%(27人/150人)、「肺炎球菌ワクチン接種は必要ないと思う」はわずか2%(3人/150人)でした。【医師Q7から】

しかし、シニアの意見では状況が大きく異なりました。65歳以上で、定期的に病院・診療所・クリニックに通院するシニア300人への調査では、「費用補助のある定期接種をした、もしくは接種する予定なので、それで十分であると思う」の回答が53.7%(161人/300人)と過半数を占め、「定期接種で接種していても、全額自費による任意接種も必要であると思う」は17.7%(53人/300人)でした。【シニアQ6から】

■肺炎球菌ワクチンの接種について、患者さんから質問が無くても説明している呼吸器内科医師は7割以上(76.0%)。しかし、肺炎球菌ワクチンの接種について医師から勧められたことがないと回答した65歳以上のシニアは6割以上(64.0%)

呼吸器内科医150人に65歳以上の患者に対する肺炎球菌ワクチン接種の説明状況についても尋ねました。その結果「肺炎のリスクが高くなる疾患や肺炎既往症がある患者などには自分から説明および接種を勧めている」が62.0%(93人/150人)、「原則65歳以上の全ての患者に説明および接種を勧めている」が14.0%(21人/150人)と、合わせて76.0%(114人/150人)が、質問が無くても説明および接種の推奨をしていました。【医師Q2から】

一方、65歳以上で、定期的に病院・診療所・クリニックに通院するシニア300人に、医師から肺炎球菌ワクチンの接種を勧められたことがあるかを尋ねたところ、「勧められたことはない」と回答したのは64.0%(192人/300人)にのぼり、「費用補助のある定期接種を利用して接種することを勧められた」が25.7%(77人/300人)、「定期接種に加え、必要に応じて全額自己負担による任意接種での接種も勧められた」が6.0%(18人/300人)で続きました。【シニアQ5から】

②会話時間で違うワクチンの「質問」、届いていない任意接種の説明

■医師との会話が5分以上のシニアで「肺炎球菌ワクチンについて気になったことを質問できている」と回答した方が77.1%。しかし、5分未満の方では61.7%

Q1で、医師との平均会話時間が「5分以上」のシニアで「質問できている」と回答したのが77.1%(54人/70人)だったのに対し、「5分未満」のシニアでは61.7%(142人/230人)でした。肺炎球菌ワクチンについて気になったことがあるときに、質問ができているかという点においても、会話の時間の長さによって差が見られました。【シニアQ1×Q7から】

■医師から肺炎球菌ワクチンについて「ある程度以上の説明を受けた」シニアに限っても、自己負担を伴う任意接種を勧められた方は13.6%

Q2で、医師から肺炎球菌ワクチンの説明について「十分な説明があった」「ある程度は説明があった」と回答したシニアで「医師から自己負担を伴う任意接種を勧められた」方は13.6%(15人/110人)に留まり、任意接種までは言及されていない現状が伺えました。 【シニアQ2×Q5から】

③呼吸器内科医も悩んでいる肺炎球菌ワクチン接種についてのコミュニケーション

■肺炎球菌ワクチンについて疑問に思うことがあっても、患者さんが十分な質問をしてこない理由として、「何を聞けばいいのか、患者さんが理解出来ていない」と回答した呼吸器内科医が8割強(81.9%)

Q9で、肺炎球菌ワクチン接種に関する質問のやりとりについて「患者さんは疑問に思うことを十分には伝えてくれていないと思う」ならびに「患者さんは疑問に思うことがあっても質問していないと思う」と回答した呼吸器内科医127人に「疑問に思うことがあっても質問をしてこない理由」について複数回答で尋ねたところ、「何を聞けばいいのか、患者さんが理解出来ていないことがあると思うから」との回答が81.9%(104人/127人)でした。【医師Q9、Q10から】

今回の調査結果について
慶應義塾大学 医学部 感染制御センター 教授 長谷川直樹先生のコメント

今回の調査結果から、肺炎球菌ワクチン接種は定期接種制度によって認知度が増し、高齢者における肺炎球菌ワクチン接種率向上に寄与している事が推察されました。また呼吸器内科医は、費用補助の無い任意接種による肺炎球菌ワクチンの接種も肺炎予防の重要な選択肢として評価している事が示唆されました。その一方で高齢者の方々では、その重要性が十分には認知されていないことや、医師への質問についてのためらいが伺えました。

多くの持病をお持ちで通院される高齢者の方々多くは、加齢により免疫力が低下しているため感染症にかかりやすく、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患をはじめ、糖尿病や循環器疾患も肺炎のリスクであることが知られています。また、高齢者を診察される様々な診療科の先生方においては、多忙を極める日々の診療で、任意接種を含めたワクチン接種による肺炎予防まで話が及ばない可能性もあります。

今後、肺炎球菌ワクチンが肺炎罹患の減少と健康寿命の延伸のひとつとして活かされるには、患者さんが納得して接種を受けられるよう医師と高齢者の方々との間でより良いコミュニケーションがなされることと、診療科を超えた取り組みが鍵となるでしょう。